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バトルシップ ◆ Battleship [いんぷれっしょん]

バトルシップ.jpg 巨人ユニバーサル映画が100周年を記念し、その総力を注いで製作した超娯楽大作。単純明快、爽快感120%、米海軍プラス海上自衛隊VS異星人の、ガチンコバトルを思い切り楽しもう。監督は、キングダム/見えざる敵やハンコックのピーター・バーグ。

 遙か宇宙の彼方から、編隊を組んでやってくる未知のエイリアンと、最新鋭とはいえ、地球外の敵との戦いを想定してしない軍隊を五分に戦わせるには、それなりの必然性及びリアリティを持たせることが大前提になる。昔のSFや、日本のヒーローTVドラマだと、自衛隊なんかは、シュッと一発キンチョールで落される蠅か蚊のようにあっという間に一蹴されてしまい、ある程度善戦するのは、対宇宙生物用の特殊装備を持った、地球防衛軍の役目というのが通り相場だった。しかし、本作の主役は、太平洋上で演習をしている日米の艦船とその乗組員達であり、ワンダバダ・・と秘密基地から出撃してくる防衛軍や、M78星雲からの援軍もナシ。そこで考えたのが、やって来た宇宙人軍団は先遣隊で、彼らとて地球のことはまだよく解らないから、本隊や補給路がきっちりするまで、先制攻撃は控えようという態度にしましょうというアイデアなのだ。

 予告編やポスターでも解るように、敵の艦船(宇宙船)は、ものすごく巨大で頑丈そう。宇宙を長旅して来たのだから、当然思いも寄らない超科学に裏打ちされたハイテクを装備しているに違いない。とても歯が立ちそうにない相手に我らが地球軍がもらったハンデが、彼らが地球に到達する前のアクシデントで、通信船を失い、行動が制限されるということ。電磁バリアーを周囲に張り巡らし、太平洋の真ん中で引きこもり、じっくり構えて侵略の準備を整えましょうというところに、付け入る隙が生まれるという設定は、なかなかにうまい。リアリティ重視と言ったって、宇宙人の侵略という設定自体が荒唐無稽じゃんと言われてしまえばそれまでだが、そういうリアリストの方々は、そもそもこういう作品にお金を払わないだろうから、念頭に置かなくてもいいのだ。

非常に納得できる舞台設定の中、自衛隊の護衛艦と二隻の米海軍駆逐艦が、バリアーの中に閉じこめられ、敵と対峙することになる。しかし、USSジョン・ポール・ジョーンズ一隻を残してあっという間にやられてしまう。残った船に生存者が集まり、エイリアンとの知恵比べをするのだが、そのアイデアの中に、懐かしのエポック社レーダー作戦ゲームのようなシーンも見られ、その作戦を立案するのが浅野忠信演じるナガタ一等海佐というのも、私達日本人にとってはグッと来る「燃え上がり」要素である。

孤軍奮闘空しくJ・P・Jも遂に撃沈されてしまう。そこから主役の二人が脱出するシーンも、なかなかのスペクタクルで見応えあるのだが、武器を失った彼らが最後の手段として乗り込む艦船がこれまたスーパー「燃え演出」だ。この辺は、娯楽大作として最大のハイライトであり、未見の方にバラすのは気が引けるので、一応ぼかしておくが、タイトルの、戦う船=敵の巨大な宇宙船の意味、あるいは作品全体を通しての比喩的な使われ方ではないと気づいたたときにはかなりぶっ飛ぶ。そしてそこに登場する思いも寄らない援軍、そりゃあもうガッツポーズで「Yes!!Seniors, please.」(Google翻訳のコピペなので、正しい用法かは?)と叫びたいくらいであります。

徹底的に娯楽を追求した大作でありながら(あるからこそ)非常によく練られた脚本。序盤に沢山登場する伏線が、すべて上手に回収されているところも、さすがメジャーの威信をかけただけのことはあると納得。主戦場である海の上とは別に平行して語られる、主人公の彼女と、両足を失った退役兵の活躍にも、おじさんとしてはじんとしてしまう。

かような痛快活劇の中に、敢えて示唆めいたことを見つけようとするなら、ある脅威に対して、だれか一人のスーパーヒーローが立ち向かうのでなく、それぞれの力は小さいが、力や知恵を集めることで、巨大な敵にも抗えるという設定が、今の米国のムードを反映しているかもしれない点か。そして、伝統的価値観として、過去のヒーロー達へのリスペクト、現在の繁栄が、先人による礎の上にあるという意識を暗黙のうちに共有しているといったころだろうか?

しょっちゅう変わる日本の首相が、その度に米国と確認し合う同盟関係。我々民間人が普段ほとんど意識しないこの状況も、フィクションとはいえ映像で見せられるとなるほどと納得できるものだ。そして出来るなら、憎むべき相手として命がけで戦うのは、人類同士ではなく、手加減不要の異星人であってほしいなんてこともちらりと思うのだ。

※オマケ レーダー作戦ゲームは「永遠の僕たち」で、加瀬亮とヘンリー・ホッパーがたびたびやっていた。本作の主役名が、アレックス・ホッパーなので、懐かしいゲームと役者名で妙な繋がりがあるなぁー。

2012/05/19 TOHOシネマズ海老名にて


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