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ピープルvsジョージ・ルーカス ◆ THE PEOPLE VS GEORGE LUCAS [いんぷれっしょん]

ピープルvsルーカス.jpeg言わずと知れた、映画史上最も高い人気を誇るシリーズ「スターウォーズ」。その熱狂的ファン達が、制作者ジョージ・ルーカスへの愛憎入り交じる議論をひたすら投げかけるという、偏狭的ドキュメンタリー。スターウォーズ本編の映像は全く使われず、ファン達が作ったビデオ映像や、取材映像などを中心にした、言わばYoutubeに代表されるネット動画時代の自主製作映画という趣だ。

従って、スターウォーズ作品およびその周辺に際限なく広がり続ける派生ワールドについて、ご興味の無い方々は本作を見るべきではないし、この感想文をお読みになる必要はありません。

 かく申す私も、洗礼を受けた一人。第1作の公開は1978年7月、当時高校三年生で公立高校の運動部を引退目前、そろそろ受験モードに入ろうかという頃だった。公開時に劇場に行かれた方は共通の体験をされていると思うので詳細には書かないが、あの時見せられた映像はティーンエイジャーの男にとって衝撃以外の何ものでもなく、一瞬で魂を奪われたのはファン全員の共通体験のはずだ。 当初は全9部作として発表され、4年おき順次公開される予定だという話。つまり自分 が40歳代になるまで新作を見続けられるという、夢のような期待感、しかしエピソード6公開時には、あっさり否定され奈落の底に落されたのも周知なのだが・・。 本作に登場するコメンテーター達もトリロジーの三部作については、ほぼ同様の感想を述べている。「最高だった!」「信じられない体験だった!」「人生が変 わってしまった!」等々等々。ひたすら熱く発せられる賛辞には只々頷くのみ。

しかしながら、熱狂的ファン達は、やがて神にも等しい制作者 ルーカスに対して手厳い批判を浴びせ始める。それは、特別編の公開以降勃発し、新三部作(Ⅰ~Ⅲ)へのぬぐい去りがたい拒否反応でピークに達する。 また、エピソード6.5とも位置づけられるはずのテレビドラマ「スターウォーズ ホリデースペシャル」に至っては、もはや嘲笑の対象にさえ・・。なぜそのような失望や批判、場合によっては憎しみの感情までも招いてしまったのか?そのあたりの答えはファンなら知っておくべきかも知れない。

あんなに素晴らしい映画作品を生み出した希有なクリエーターが、どうして変節してしまったのか? 歴史的にも価値があるはずのオリジナルをルーカスはなぜ改変しようとするのか?作り手の意思と、観客の期待がいつからずれてしまったのか? 映画作品の成功以上に革命的と言われる関連商品のマーチャンダイジング。ファンの忠誠を手玉にとるような手法による、グッズやディスクの新バージョン発売攻勢への苦言等々・・いやはや凄い。 トリロジーとプリークェルの間の中断を含め、何十年もスターウォーズとかかわってきたファンの存在は制作者と同等か、あるいは思い入れに於いては既に凌駕しているのだ。

映画作品において、観客の共感が得られるか否かが決まる物差しには、受け手側の情動がいかに高まるか、あるいは臨場感、世界感をどれだけ刺激し豊かにできるかといった要素が多分にあると思う。そして、それがドキュメンタリーであるならば、含まれる情報の量とその濃さも要素に含まれるかもしれない。だとすると、本作ほど、それらを満たしているドキュメンタリー作品は無いのではなかろうか? そもそも、ファンによるファンのための映画、ファン以外の目に触れることを想定していない「部外者立ち入り厳禁作品」と称してもいいかも知れないものが、興行として成立すること自体が普通ではない。そして、それを実現し、常に裾を支える膨大な数のファンと、広がり続けてとどまるところを知らないスターウォーズワールドは、20世紀から21世紀の初頭にかけての時代が産んだ、偉大なる文化のひとつと考えて間違いないだろう。そんなことを、今更ながらあらためて認識したひととき、画面に登場した愛すべきファンの皆さんへの強い共感と共に。そしてやはり待ちわびるのは、エピソードⅦの制作と公開。 
May the force be with us.

2012/04/05 横浜ニューテアトルにて

 

starwars.jpg
 
「新たなる希望」オリジナルバージョンLDを含むマイコレクションの一部。
フィギュアはほとんどありません。

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